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2008年3月16日 (日)

克服

名城大学空手道部40周年記念パーティーに出席するために、三重県四日市市の会場まで行ってきました。

30周年記念パーティーで会ったきりの先生や先輩の方々と再会しました。

といっても、10年前のパーティーで話した内容よりも、やはり学生時代の出来事が印象深いです。

また、先日の後輩S君の結婚披露宴でお会いしたばかりの方々とも再会しました。

私が議員になれたのは秘書の仕事をした経験があるからです。

そして、機会があればいつか書きますが、かなりの激務をこなしてきたという自信もあります。

この秘書時代の激務に潰されそうになりながらもギリギリで耐えられたのは、やはり厳しい空手の練習に耐えた経験があるからです。

空手道部は、物凄い縦社会で練習だけでなく礼儀なども厳しかったです。

4年間で辛かった経験は色々ありますが、やはり一番辛かったのは合宿でしょうか。

夏合宿などは本当に辛く、私だけでなく血尿を出す学生が何人も居ました。

それと、学生の参加人数よりもOBの参加人数の方が多いのが困るんです。

そして、一つ例を挙げると

”乱取り稽古”

が最も辛い稽古でした。

それは、あらかじめ練習のメニューにあるのではなく、師範が突然言い出すのです。

では、どういう場合に言い出すのかというと、例えば、技の反復練習をしている時に、

どうにも学生達の覚えが悪かったり、集中力が欠けてきた時などです。

練習をしていると、怒った声が聞こえてくるのです。

「もう、やめや!学生同士で乱取りせい!」

そうなると、道場の空気が一瞬にして凍りつきます。

そして、普段は”寸止め”といって相手に当てないように技を止める組手をしているのですが、この時だけは力強く当てていかないと怒られるのです。

もちろん顔面は狙いませんが、喉元を叩いたり、お腹を蹴ったりして、つかみ合いから相手を転ばして、寝ている相手に突きを入れるまでが一連の乱取り稽古なのです。

この稽古を相手を変えながらローテーションで延々と行うのです。

合宿中にお互いケガをしたくないので、ついつい力を抜いてしまったりすると、さらに激が飛びます。

なので、辛い合宿をお互いに乗り越えようとしている全く憎くも無い相手を思い切り叩かなくてはいけないのが辛いのです。

もちろん、「3分間、思い切り殴り合って帰ってよし」ならば、とっても楽チンです。

しかし単に殴れば良いのではなく、きちんとした空手の技を出さなくてはいけません。

神経も使うし、気も使うし、予定していた体力配分もメチャクチャになってしまうし、突きや蹴りが当たって痛いし、

たまたまケガで見学していた入ったばかりの1年生は、観ているだけで泣き出してしまう程です。

顔面は狙わないもののはずみで当たってしまう事も良くあって、3日ほどアゴの噛み合わせがおかしくなったり、

しばらく後頭部に鈍い痛みがあったりする事もありました。

そして、こんな練習の合間には、学生同士で

「残り、もう1日だ!頑張ろう!」

とか

「あと、午後の半日だけだ!」

などと励ましあったりします。

ただ、体力の無い私は、いつも励ましてもらってばかりでした。

でも声をかけてもらうだけでも、力が湧いてくるのです。

人間の身体って不思議ですね。

空手は個人競技ではありますが、礼儀だけでなく協調性やチームワークも学ぶ事ができるのです。

そして、このような合宿を終えて身体中ボロボロになりながらも家に帰る頃には、

このような練習をやり遂げたからこそ、大きな達成感と更に強くなったはずだという自信に満ちています。

そして、翌日の昼間に身体中の筋肉の痛みを感じながら目を覚ますと、練習をしていない事が幸せに感じるのです。

普通に呼吸をして、食事ができる事が幸せなんです。

もし、ジュースとお菓子とマンガがあれば、それだけで極楽です。

辛い事や厳しい体験をすると、幸せの基準がどんどん下がっていくのです。

以前、テレビ番組で、家族と離れ離れになり一人で公園で生活していた事を書いた”ホームレス中学生”という本の著者のタレントが全く同じ事を言っていました。

やはり、「苦労は買ってでもしろ」という言葉は本当なんですね。

大学時代は

「強くなりたいけど、ここまで苦労する必要があるのか?」

とか

「他の大学生が休みの日にデートしてるのに、どうして俺達は練習するんだろう?」

など、悩んだ事もありました。

しかし、今でははっきりと言えます。

空手道を通して、身体が鍛えられただけでなく心も鍛えられました。

空手道部に入ってしばらくすると、辞めようかと考える時期が誰にでも来ます。

師範や監督に怒鳴られ、辛い練習をしていく事が嫌になってしまうのです。

ここが、退部する人と残る人の分かれ目です。

私だけではないと思いますが、

「辛いのは、自分が弱いからだ。空手が強くなれば練習に関して怒られる事もないし、練習自体も軽くこなせるようになるはずだ。」

と考える人が空手道部に残る人だと思います。

でも、この考えは社会に出ても似たような事はありますよね。

嫌な事から逃げ出すか、克服をする事で乗り越えるのかの選択は誰にでもあると思います。

私は、空手道を通して、苦しい事があっても乗り越えていこうと考えていけるようになりました。

そして、そのおかげで秘書の激務に耐える事ができて、今の私があるのです。

また、秘書の仕事は、代議士、政党、支援者らに囲まれてどこにもはけ口が無い仕事であり、裏方に徹する業務です。

なので秘書の仕事を通して、相手の気持ちを考えたり、見えない所での裏方の働きを考える様になりました。

視野を大きく持つ事を考えさせられたり、本当に経験して良かったと思います。

と、ここまで日記を読んで

”大学空手道部の練習ってハードなんだなあ”

と思う人が多いと思いますが、

空手道部の4年間と秘書時代の2年6ヶ月を比べた場合、

秘書時代の方が精神的に辛かったです・・・

人と殴り合うよりもハードな仕事でした。

機会があればいつか日記に書こうと思います。

現在の空手道部の助監督を務めている、私の同期のT君に話を聞きました。

最近の大学生は、見学に来ても、ほんとに軽めの練習を見ただけで入部する気がなくなってしまうそうです。

来月、新しい大学生が入ってきます。

私は、空手道部の入部を強く強くお勧めします。

来たれ!未来の日本を担う若者よ!

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