閉会日
12月議会の閉会日でした。
本日は、第100号から第146号までの47つの議案に対する採決などが行われました。
各会派の採決結果は、
自民清風会(17人) 47議案に全て賛成
民政クラブ(9人) 47議案に全て賛成
公明党(4人) 47議案に全て賛成
黎明(れいめい)(4人) 47議案に全て賛成
無所属(共産党)(2人)
第116号、第135号、第139号、第144号について反対
その他、43議案は賛成
無所属(大原まさゆき)
第116号についてのみ反対
その他、46議案は賛成
という結果でした。
私が唯一反対した第116号議案は、岡崎市国民健康保険条例の全部改正についてです。
なぜ反対したのか、その理由をなるべく簡略化して書いてみます。
国民健康保険は、自営業や無職の人達が対象となっていて、その被保険者が払う保険料と、国・県・市の負担金が財源となっています。
今回、内閣が作った国民健康保険の施行令が一部改正されました。
国民健康保険の保険料は、同じ年収の人でも住んでいる市が違えば保険料も変わって来る様に、それぞれの地方自治体で金額の決め方がバラバラに分かれているので、
今回の施行令の改正で、日本全国で統一しなければいけない部分が変更されました。
その部分とは、
日本中の全ての地方自治体は、
”旧ただし書き方式”
に統一しなさいとなったのです。
今まで、岡崎市では、
”市民税所得割方式”という計算方法を使っていましたが、これは、保険料を決めていく時に、
前の年の収入だけでなく、扶養控除や配偶者控除、障害者控除など各種の控除を受けている金額も計算されていました。
しかし、これから使う”旧ただし書き方式”では、前の年の年収等だけで計算され、各種の控除の金額は計算に入れない事になります。
つまり、今までは、家族が多ければ多いほど保険料が安くなっていたのですが、
これからは家族の人数は保険料に影響しない事になっていくのです。
どうして(野田)内閣はこんな事をしたのかというと、控除についての改正がある度に保険料も変更されてしまう事を無くすためや、
国民健康保険を支払っている人の中で、一人暮らしの年収の少ない人が増えてきているという理由があるとの事でした。
そして、岡崎市では今回の改正で
”資産割の賦課”
を無くす事になります。
資産割とは、今まで岡崎市では、前の年の年収と市内にある土地や建物といった資産を合わせて保険料の金額を決めていました。
けれども、今後は、いくら資産を持っていても保険料に影響を与えない事になります。
この資産割は、今後もそれぞれの地方自治体によって賦課するかどうかの判断が任されているものです。
では、どうして岡崎市では、資産割を無くしていくのかというと、
・市街化が進み土地を持っている農業従事者が減ってきた。
・持家だけがある無職の年金受給者(65歳以上)が増えてきた。
・市外の資産が賦課されないという課題がある。
との事です。
他にも細かな変更点があるのですが、今回の改正によって、保険料がどの様に変更されていくかというと、市が作ったシミュレーションでは、
一人暮らしの年収800万円の人の保険料は、
57万8000円から50万円となり、1年間で7万8700円下がります。
そして、4人暮らしの年収273万円の人の保険料は、
18万8900円から23万600円となり、1年間で4万1700円上がってしまう事になります。
なので、年収の少ない人には、2年間だけ減免をするという事で、
4万1700円が2万850円の増加で済む事になります。
けれども2年間だけの減免なので、3年後以降には結局4万1700円増加してしまうのです。
そしてこの2年間の減免には、5億4000万円といった市の財源が使われる事になります。
市の財源が使われるという事は、国民健康保険の被保険者ではないサラリーマンの方々も支払っている税金を使う事になります。
そして、一番負担が増えてしまうのは5人世帯の人で、約10万円上がるケースもあるとの事です。
つまり今回の改正によって、一人暮らしで年収がそれなりに高い人達の保険料が下がる部分を、
家族が多い人の保険料や、市の財源を使ってまかなう事になってしまうのです。
そして、国民健康保険の最高限度額は77万円なのですが、この最高額を支払う人の年収はおそらく1000万円ほどの人になります。
なので、1000万円稼ぐ人も77万円の保険料を支払い、2000万円・3000万円稼ぐ人も77万円の保険料となっています。
私は、頑張った人が報われる社会になっていくべきだと考えますが、もう少し高額者や資産を多く持っている人から、保険料を支払ってもらっても良いかと思いますし、
そして、市の財源5億円を使わずに、今回の改正で保険料が下がる人の部分を無くして、現行通りで良いのではないかと考えます。
さらに、核家族化や少子化が問題となっている時代に、家族が多ければ多いほど保険料が少しでも安くて済む制度にしていき、他の政策と歩調を合わせるべきとも考えます。
国の制度や市の制度の方向性をきちんと合わせていかないと、いつまでたっても問題は解決せずに、さらに悪くなっていってしまいます。
法律であれば国会を通さなければいけませんが、施行令は国会をとおさずに内閣だけで改正できるものです。
大げさかもしれませんが、わざと施行令を改悪している様に感じてしまいます。
そんな内閣だからこそ、今回の衆議院選挙で民主党は大敗したのかもしれませんね・・・
長くなりましたが、以上の事から、岡崎市国民健康保険条例の全部改正について反対をしました。
そして、”第144号議案 岡崎市病院事業会計補正予算”
については反対しようか大変迷いましたが賛成しました。
この議案の中に、市が持っている土地を、市内の民間業者に安く売却する件が含まれています。
入札をした所、購入希望が1件だった事もあり、この業者に売る事が決まったとの事でした。
| 固定リンク