一般質問を行いました。
テーマは、
・エボラ出血熱について
・子どもの運動能力の低下について
・国民健康保険について
の3項目です。
写真は、エボラ出血熱についての私の質問に対して、岡崎市民病院の病院長が答弁している様子です。
以下に、実際の言い回しとは若干異なりますが、私の質問と答弁の全文を掲載致します。
エボラ出血熱について
大原まさゆきの質問
それでは、エボラ出血熱についてお伺いしていきます。
エボラ出血熱とは、主にアフリカ地域で食用されているコウモリを宿主としているウイルスが人に感染する病気と言われており、致死率は最大で90%にもなるとの事でありますが、
今年に入ってから、ギニアなどの西アフリカ諸国におきまして流行しており、WHOによりますと死者は5000名を超えているとの事であります。
そして、アフリカ以外での感染例としましてアメリカやスペイン等では発病した患者を担当した看護師等が感染するといった2次感染が起きておりまして、
日本におきましてもそれぞれの現場の対応において、徹底して感染を防がなくてなりません。
そこで質問に入っていきますが、通知の質問は割愛致しまして、本市の対応について質問をしていきます。
まずは保健所にお伺い致しますが、市内において感染が疑われる患者が発生した場合には、どの様な対応の流れになるのかお聞かせください。
保健所長の答弁
検疫所では、西アフリカのギニア、リベリア又はシエラレオネに過去21日以内に滞在していた者を対象に健康監視が行われており、
検疫所による健康観察中に発熱等の症状を呈した場合は、検疫所から最寄りの保健所に連絡が入ることになっております。
連絡を受けた保健所は、患者に自宅等での待機を要請するとともに、保健所医師が診察を行い、エボラ出血熱の疑似症患者と診断した場合は、患者を第一種感染症指定医療機関である名古屋第二赤十字病院へ移送します。
併せて、患者検体を東京都武蔵村山市にある国立感染症研究所に搬送し、確認検査を依頼します。
また、医療機関では、発熱症状を呈する患者には必ず渡航歴を確認することとされており、
発熱症状に加えて、ギニア、リベリア又はシエラレオネの過去1か月以内の滞在歴が確認できた場合は、エボラ出血熱の疑似症患者として直ちに保健所長あてに届出が行われるため、同様に、患者の移送を行い、患者検体の確認検査を依頼します。
大原まさゆきの質問
西アフリカ地域に渡航歴があって発熱した方は、自宅で待機したまま空港の検疫所か地域の保健所へ連絡をするべきであって、自分自身で民間、公立も含めて病院に行かない様にする事が重要ですが、
先日、沖縄県でリベリアから帰国した男性が一般病院を受診してしまい、その時に、医師にリベリアへの渡航歴がある事を告げていたり、
また、東京都でもリベリアから帰国した男性が、勝手に町田市内の民間病院を受診しており、その受診の際にはリベリアへの渡航歴を医師に伝えていなかった事がありました。
結果的には、2名ともエボラ出血熱では無かったものの、行政がいくら防ごうと思っていても、個人々々の行動を細かく管理する事は困難でありまして、
例えば、西アフリカからの入国を現在、一時的に禁止しているオーストラリアなどと違って、日本では、エボラウイルスが国内に入り込んだり、
また、あってはならない事ですが疑いのある患者が市民病院に診察に来てしまう事態も想定しておく必要があるかと思います。
そこで 市民病院にお伺い致しますが、エボラ出血熱に関する対応マニュアルがあるのかどうか、またあるのであれば、その内容についてお聞かせください。
病院長の答弁
現在は、エボラ出血熱疑い患者からの電話があった場合の対応、来院された場合の対応、来院して入院が必要と判断された場合の対応の3つの状況を想定してマニュアルを作成しております。
マニュアルの主な内容は、エボラ出血熱疑い患者からの電話があった場合の対応としては保健所へ連絡し、その指示に従うことを伝えることとしています。
来院された患者さんが問診により擬似症患者に該当する場合は、患者さんを救急外来にある診察室内の気圧を下げて結核などの空気感染疾患診察用の陰圧診察室に入室させるとともに、保健所へ連絡し、
第一種感染症指定医療機関である名古屋第二赤十字病院への搬送を待つことになります。
患者さんからの要求がない限り入室せず、入室必要時は救急外来エボラ出血熱担当看護師、インフェクション・コントロール・ドクター(ICD)が防護服を着用して入室します。
その他の職員は患者に接触しないこととしています。
また、医師が、入院が必要と判断した場合には救命救急センター病棟内の個室に入室させ、点滴、酸素吸入等の処置を行います。
医師、看護師は名古屋第二赤十字病院への搬送車の到着するまで病室内から出ないで対応し、保健所職員に引継ぎ後に部屋の消毒を行い、防護服は介助を得て脱ぎます。
患者に対応した医師、看護師は21日間の健康監視を行うこととしています。
以上の対応マニュアルは病院内の電子掲示板などにより全職員及び委託職員へ周知を図っております。
大原まさゆきの質問
アメリカでは西アフリカでエボラ出血熱患者に対応して帰国した医師や看護師がボーリング場に地下鉄ででかけたり、
また、自転車に乗ったりと外出した事が問題となりました。本市におきましては、仮にエボラ出血熱患者に対応するケースが発生し、市職員が対応する事が起きた場合には、21日間の健康監視等々、2次感染の予防を各々で徹底して頂く事をお願い致します。
それでは、次の質問に入っていきますが、市民病院と保健所における防護服の状況についてお聞かせください。
保健所長の答弁
個人防護具については、すでに整備できた20セットに加え、計35セット103千円及び呼吸用防護具3セット238千円、合計341千円を早急に確保する予定です。
病院事務局長の答弁
現在、感染防御が可能な防護服は7着保有しており、エボラ出血熱疑いの患者が発生した場合を想定して備えている。
大原まさゆきの質問
保健所におきましては、新たに防護服を用意していくとのご答弁でした。ぜひ、宜しくお願い致します。
そして研究所の話になりますが、現在、日本国内ではエボラウイルス等を調査・研究できるバイオセーフティレベル4に該当する施設はあるものの、近隣住民の反対があり、今のところ一段階低いレベル3として稼働しておりますので、
エボラウイルスが有るのか無いのか分からない段階の血液は調査ができますが、一旦、陽性としてエボラウイルスが有る事が確定してしまいますと、その患者の血液は取り扱う事ができなくなりますので、
例えば、エボラ出血熱の患者の体内に、エボラウイルスが残っているのかいないのか、つまり患者が治ったのか治っていないのかの確認が、日本国内では実施できないという、大変、重大な事になります。
しかし、その様な中ではありますが、エボラウイルスが日本に上陸する可能性も考えられる現在では、まず、地方の自治体で対応しなくてはなりません。
そこで、次の質問に入っていきますが、11月17日に大阪市保健所が、エボラ出血熱対応訓練を行いました。
その内容は、疑い患者の自宅を想定した場所まで、防護服を装着した保健所職員が迎えにき、大阪市立総合医療センターへの移送と、患者からの聞き取りなどの疫学調査、そして防護服の安全な着脱訓練等が行われたとの事でした。
同じ日には、大阪府も訓練を行っておりまして、りんくう総合医療センターへの患者の搬送をしています。
そこで、本市におきましても、エボラ出血熱の患者が発生した場合の訓練の必要があるかと思いますが、お考えをお聞かせください。
保健所長の答弁
保健所主催で岡崎市民病院において、岡崎市消防本部、岡崎警察署などの関係機関とともに、エボラ出血熱の疑似症患者発生時における患者搬送訓練及び防護服の脱着訓練等を12月中に実施する予定です。
大原まさゆきの意見
本市では、12月中に保健所を主催として市民病院にて訓練を行っていくとのご答弁でした。
先日、ギニアの病院でエボラ出血熱患者から感染した看護師が、スペインで治療され、回復後に語った発言があるのですが、「手袋をはめた手でずれた眼鏡を直した時に目か鼻から感染したと思う」とコメントしております。
また、最も気をつけるべきなのは防護服を脱ぐ時であるとの意見等もありますので、
訓練の際には、ぜひ一通りの手順や細かな確認事項を、全体で徹底して共通認識して頂き、万が一の場合に備えていく事を意見としてお願いしたいと思います。
子供の運動能力の低下について
大原まさゆきの質問
それでは、子どもの運動能力の低下についての質問に入っていきます。
近年、子ども達の運動能力の低下を心配する声があります。さらに、運動をするための体力の低下とともに、健康を維持するための体力の低下も危惧されております。
そこで、数値比較としまして、まずは、昭和39年から文部科学省が行ってきている体力・運動能力調査につきまして質問をしていきます。
本来であれば、本市の子ども達のデータをお聞きするところですが、古い記録が残っていないのとの事ですので、全国平均の数値の比較を行いたいと思います。
まず、体格でありますが、小学校5年生の身長、体重について、昭和40年度と平成25年度の全国平均の数値と、その傾向についてお聞かせください。
教育監の答弁
文部科学省の学校保健統計調査を見ますと、小学校5年生男子の身長の全国平均は、昭和40年度が133.6㎝、平成25年度が139㎝、女子は、昭和40年度が134.1㎝、平成25年度が140.1㎝。
男子の体重の全国平均は、昭和40年度が29.2kg、平成25年度が34.3kg。女子は、昭和40年度が29.4kg、平成25年度が34.0kgとなっています。
この調査の結果からは、昭和40年度に比べて男女ともに身長体重の数値が上がっていることがわかります。
大原まさゆきの質問
今の子ども達は、昭和40年の子ども達と比べて体格が大きくなっているとの事でした。
その原因としては、動物性たんぱく質を摂取する量が増えてきたからと言われております。
ちなみに、江戸時代の日本人の平均身長は男性が155センチ、女性が143センチほどだったと言われておりまして、その後、明治・大正時代はあまり変化はなく、戦後に急激に体格が大型化したとの事であります。
それでは、次に運動能力の質問でありますが、小学校5年生の50m走、ボール投げ、握力の3種目について、昭和40年度と、昭和60年度、平成25年度の全国平均の数値とその傾向についてお聞かせください。
教育監の答弁
文部科学省の体力運動能力調査をもとに、主だったもの3種目について昭和40年度・60年度・平成25年度の順に、小学校5年生の全国平均を述べさせていただきます。
男子の50m走の全国平均は、9秒10、9秒05、9秒38、女子の50m走の全国平均は9秒50、9秒34、9秒64。男子のボール投げの全国平均は、29.8m、29.9m、23.2m、女子のボール投げの全国平均は16.1m、17.6m、13.9m。男子の握力の全国平均は17.3kg、18.4kg、16.6kg、女子の握力の全国平均は15.5kg、16.9kg、16.1kgとなっています。
この調査からは、昭和60年頃をピークに子供たちの体力は低下傾向にあると推測されます。
大原まさゆきの質問
運動能力は昭和40年から昭和60年まで高まっていたものの、その後、下がり続けまして、平成25年の数値のほとんどが昭和40年よりも悪くなっている事が分かりました。
運動能力低下の原因は、ゲームや学習塾などで外遊びの時間が減ってきたとも言われておりますが、特に、体格が大きくなっているものの、運動能力が低下しているという点が大きく心配されるところであります。
それでは次に、取り組みとしまして質問に入っていきますが、横浜市の事例の紹介を致します。
横浜市の教育委員会では、2020年までに子ども達の運動能力を1985年(昭和60年)当時の水準に回復させる事を目的とした“子どもの体力向上推進計画”を策定しました。
この計画の中身では、学校・家庭・地域・行政のそれぞれの役割と連携が書かれてあり、小中学校児童の体力向上を目的としています。
具体的な手法では、例えば学校では、運動に対する時間・空間・仲間を作り出す工夫や教員の指導力の向上等々を行い、家庭では生活習慣の見直し、地域からは人材の提供、行政はスポーツ選手を招いて講演を実施し、運動に対する啓発を行うなどの取組みがあります。
そこで、お伺い致しますが、例えば、子どもの運動能力を昭和60年頃の水準に戻すという具体的な数値目標を設定して、授業等に取り組んでいく事を提案致しますが、お考えをお聞かせください。
教育監の答弁
子供たちのさらなる体力の向上を目指すために、議員のご提案のように、具体的数値目標を設定することはその手立ての一つと考えられます。
一方で、学習指導要領には、「子供たちの発達段階に応じた指導内容の明確化・体系化」の必要性が記されていることから、各学校が、一人一人の子供たちの発達段階に応じて目標を設定し、取組を工夫していくことが、子供たちの体力向上につながると考え、授業での実践を進めております。
大原まさゆきの質問
各学校での取り組みで工夫しているとのご答弁でしたが、ここで具体的に運動能力を向上させるコーディネーショントレーニング(COT)を紹介したいと思います。
COTとは、普段はあまり使わない筋肉や神経を刺激させたりなど、身体の操作性やバランス感覚等を養う事のできるトレーニング法であります。
このCOTは遊び感覚で行える事から、運動に対して苦手意識を持つ児童でも気軽に取り組む事ができ、
また、回りの児童と競争したり比べたりするのではなく、個々の運動能力の高まりを実感でき、積極的にスポーツを楽しめる子どもが増えていく効果が期待できる事から、運動能力の格差の解消にも繋がるものと思われます。
最近では、導入する自治体も増えてきておりまして、例えば、東京都では都内全ての幼稚園、小学校、中学校、高校への導入や、
東京都足立区や埼玉県飯能市では全ての保育園、宮城県松島町では、町の基本計画にCOTによる体力づくりが掲げられ、重点事業とされており、現在は全ての幼稚園で導入され、今後は全ての保育園と小学校への導入が計画されており、
北海道留萌市、羅臼町では小学校の授業に取り入れられているなど、その他の自治体でも導入の動きがあります。
現在、スキップや入場行進などが苦手な子どもも増えていると言われている事からも、効果の期待できる、このCOTを、市立の保育園・幼稚園・小学校にて導入する事を提案致しますが、お考えをお聞かせください。
子ども部長の答弁
運動が苦手な子どもが増えていることや、運動経験の不足によって、子どもの体力や運動能力が低下していることは、全国的にも指摘されているところであります。
こうした指摘を踏まえ、保育園では、来年1月24日の保育士自主全体研修で、「運動遊びの大切さ~今保育士に求められること~」と題した研修会を計画するなど、子どもたちの体力や運動能力の向上を目指す取組を推進しているところであります。
議員のご提案であります「コーディネーショントレーニング」は、リズム遊び・しっぽとり鬼ごっこ・ドッヂボール・フープくぐりなどの遊びを通して、考え、楽しみながら運動能力を高めるものであり、保育園、幼稚園から高校までの広い範囲で徐々に導入されていることから、
保育園及び幼稚園の園児に合ったコーディネーショントレーニングの内容を研究してまいりたいと考えております。
教育監の答弁
運動神経を養うために考えられたコーディネーショントレーニングは、子供たちの体力を向上させることができるトレーニングの1つと考えます。
このねらいは「リズム能力」「バランス能力」「反応能力」などの7つの能力があげられておりますが、それらは、すべて現在の学習指導要領に記されています「体つくり運動」の内容を中心に、「表現運動」や「ボール運動」などを通して養うことができると考えております。
つまり、体育の授業でコーディネーショントレーニングと同様な内容を実践しているととらえております。
そのため、教育委員会といたしましては、コーディネーショントレーニングを特化して授業に導入するのではなく、各学校が、学習指導要領を踏まえ、子供の状況や学習内容に応じて工夫した運動を、授業に取り入れられる様に指導しております。
大原まさゆきの意見
子ども部ではCOTを研究していきたいとのご答弁、教育委員会では各学校が工夫した運動を授業に取り入れられるように指導しているとのご答弁でした。
本市では、毎年10月に小学校陸上競技大会が昭和35年から開催されております。
その最高記録の資料を見てみますと、男子100m走では平成8年に最高記録の更新がされておりますが、女子100m走では昭和54年が最高記録となっております。
また、他の種目におきましても、400mリレーの男子では平成2年、女子では昭和57年が最高記録でありまして、
また、走り幅跳び男子では昭和61年、女子では昭和60年、走り高跳びの男子では昭和58年、女子では平成7年、ボール投げ男子では平成3年、女子では昭和61年が最高記録となっておりまして、
近年でももちろん個別に運動能力の高い子どももいるとは思いますが、やはり昭和60年ごろに最高記録が集中していて、記録の更新がなかなかされていない傾向が見受けられますので、
やはり体格に応じた筋肉量の不足や、身体の操作性の低下が懸念されるところであります。
そういった中で、文部科学省が全国で実施しております体力・運動能力調査の都道府県別の結果では、小学生では福井県が6年連続1位となっております。
20分間の休み時間のうち5分間のマラソンをしたり、以前、握力の結果が低かった事から、グーパー体操を行う様にしたところ、連続で全国1位という結果を出しております。
もちろん、ただ運動能力だけを伸ばせば良いという事ではなくて、運動能力や体力の低下は高齢になってから悪影響を及ぼす可能性が考えられます。
例えば、筋肉は70歳を超えますと若いころの半分の筋肉量まで減少するものの、脂肪は増加する事で関節が炎症を起こし、ますます動きづらくなってしまったり、また身体のバランスや使い方が元々悪い場合には、転倒しやすく、骨折の危険性も増加してしまいます。
一生を通してスポーツなどを楽しんだり、また高齢になっても健康に暮らす事は、人にとっての大切な項目の一つであります。
そのためにも、今後、教育委員会としまして、子ども達の栄養面、そして塾やゲーム、そして最近ではスマートフォンによる友人とのLINEでのやりとりの時間、睡眠時間などの生活習慣等々、
子ども達の発育への影響を分析も含めて、幼少期のうちに、身体の使い方、運動能力の向上に繋がるような取り組みを意見としてお願いしたいと思います。
国民健康保険について
大原まさゆきの質問
それでは、国民健康保険の質問に入っていきます。
国民健康保険とは、自営業者や職の無い方を対象とし、加入者からの保険料と国庫負担金などの収入によって、市区町村が運営し、保険加入者の病気やケガでかかった医療費が一般的には自己割合3割に軽減される事業であります。
それでは、まず、財政状況についてお伺い致します。単年度実質収支として歳入と歳出の差額、つまり黒字なのか赤字なのかについて、平成21年度と平成25年度の金額と、その間の傾向をお聞かせください。
福祉部長の答弁
歳入からその他一般会計繰入金を控除した場合の実質収支の状況でございますが、平成21年度が1,232,902,350円の赤字、平成25年度が448,050,884円の赤字でございます。
この間、リーマンショックを始めとした経済状況の悪化から、徐々に景気が回復してきたことによる収納率の向上や、基金の活用による繰入金の増加などにより、実質収支の赤字は減少する傾向でございます。
大原まさゆきの質問
近年では、赤字額が減少しているとの事でしたが、赤字を抑えるには歳出を減らし、歳入を増やす事が必要です。そこで質問ですが、歳出を減らすには、医療費削減の他にどの様な方法があるのかお聞かせください。
福祉部長の答弁
国民健康保険事業につきましては、歳出の主なものは加入者に対する医療給付であります。歳出を減らしていくためには、医療費削減が主な取組みとなります。
そのため、加入者の健康維持のための特定健診等の実施、レセプト点検による過誤請求の是正、後発医薬品の利用促進など医療費の適正化や、社会保険加入者への資格喪失勧奨を行うなどの資格管理の適正化を図っているところです。
大原まさゆきの質問
続きまして歳入について質問を致しますが、近年の保険料の収納率の推移についてをお聞かせください。
福祉部長の答弁
過去5年の現年収納率の推移につきましては、平成21年度88.5%、平成22年度89.9%、平成23年度89.8%、平成24年度89.7%、平成25年度は90.2%で、対前年比で0.5ポイント上昇しております。
大原まさゆきの質問
収納率が上昇しているとのご答弁でした。それでは質問致しますが、収納率が上昇している原因はどんな事が考えられるのか見解をお聞かせください。
福祉部長の答弁
平成25年度においては、制度改正の激変緩和措置もあったため原因分析は難しい状況ですが、景気の動向によるものが大きいと考えております。
また、日々のきめこまかな収納対策の効果もあるとも考えているところです。
大原まさゆきの質問
平成17年に厚生労働省が地方自治体に示しております収納対策緊急プランの例示では、収納率が88%未満の場合には、収納担当職員の増員などの実施を図ることと明記してあります。
そこで質問致します。現在、本市の収納率は過去5年間88%以上ある訳ですが、
仮に、今後、収納率が88%を下回った場合には、厚生労働省の例示通りに収納担当職員の増員等をしていくお考えはあるのかお聞かせください。
福祉部長の答弁
現状においても、業務量に見合った人員が充足しているとは考えておりません。
このため、効率的な収納体制を構築、継続していくことも重要と考えてはおりますが、最終的には、マンパワーにたよる部分も大きく、人事当局には引き続き、再任用職員の配置を含めた増員要求をしてまいります。
大原まさゆきの質問
国民健康保険の保険料の収納率は、市民税や固定資産税などの税の収納率と比較してどういう状況かをお聞かせください。
福祉部長の答弁
市税と比較した場合、収納率は低い現状でございます。国民健康保険については、保険制度の最終的な受け皿として、所得水準の低い無職の方やパート・アルバイトの方の加入率が高いという、構造的な問題があるため、納付困難な方が多い状況であると認識しています。
大原まさゆきの質問
保険料の収納率は市民税等と比べて、低いとのご答弁でした。
国民健康保険法では、あくまでも保険料が原則であり、保険税は例外という事が定められておりますが、国民健康保険を運営する市町村の裁量で、保険料にするか保険税にするかを決める事ができます。
それでは、保険料と保険税の大きな違いは何かといえば、保険料は2年で時効になってしまいますが、保険税の場合は5年で時効となるので、保険税とした方が未納分を3年間、長く請求する事ができます。
そして、市民税などと同時に滞納処分をした場合、優先順位が異なります。保険料であれば、市民税などの税金もあわせて滞納している場合に、まず税金から配分され、残りの財産があれば次に保険料に配分される事になります。
しかし、保険税であれば、市民税などの税金と同列に配分される事となるなど、保険料と保険税での違いがあります。
そこで、質問ですが保険料を保険税へ変更する事についてのお考えをお聞かせください。
福祉部長の答弁
本市の国民健康保険料は、昭和45年にそれまで保険税であったものを保険料に変更した経緯がございます。
保険税の場合は目的税として、ある程度の年数で収支見込みを立てた上で、税率を算定する方法が一般的でありますが、それに対して保険料は単年度での収支に対して料率を算定しております。
税の当時も医療費の増加への保険税の対応に苦慮されていたようで、保険料の場合は歳出の変動に対して対応がしやすい等のため変更したものと思われます。
また、医療保険制度の趣旨からしても保険料を保険税に変更する事は考えておりません。
大原まさゆきの質問
保険税とした場合には、税額を柔軟に変更させる事が困難との理由でした。それでは次の質問ですが、平成25年度の年代別の滞納割合についてお聞かせください。
福祉部長の答弁
平成25年度の現年滞納世帯について、年代別の滞納割合になりますが、10代33.8%、20代35.4%、30代28.3%、40代29.6%、50代22.4%、60代7.8%、70歳以上2.7%となっております。
大原まさゆきの質問
20代を中心とした若い方が滞納している割合が多いというご答弁でした。それでは次の質問ですが、県や国保連合会と協力し、未納者対応プログラムや滞納分析シミュレーション等の新たな職員研修の検討を提案致しますが、お考えをお聞かせください。
福祉部長の答弁
現状、愛知県及び国保連合会合同による研修につきましては、収納率向上特別研修が継続的に開催されております。
開催年度により講師も変更され、さまざまな角度からの収納対策手法等の研修内容となっております。国保連合会の研修につきましては、多重債務相談事業実施に合わせた打合せ研修が実施されております。
議員ご提案の未納者対策プログラム、滞納分析シミュレーション等など、別の角度からの研修につきましては意見として要望してまいります。
大原まさゆきの質問
それでは運営についての質問に入っていきますが、まず、本市の1人あたり保険料の金額について中核市の中での順位をお聞かせください。
福祉部長の答弁
平成25年度決算では1人あたり保険料は97,600円であり、中核市の中では上位より7番目でございます。
大原まさゆきの質問
現在は国民健康保険事業の運営を本市が担っている訳ですが、近いうちに運営が本市から愛知県へ移行するという話が出ております。
今のご答弁では、43市ある中核市のうちで本市の1人当たりの保険料は上から7位と、比較的高い方ではありますが、県に移行される場合に、そういった保険料が上がるのか下がるのかが保険加入者にとって気になる所だと思われます。
そこで県への移行の予定と、また、県に移行された場合の、本市の国民健康保険加入者に対する影響についてお聞かせください。
福祉部長の答弁
持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律」いわゆるプログラム法により、国民健康保険の都道府県化について平成29年度までに必要な事項を定めることとされております。
必要な法律案を来年の通常国会に提出することを目指すとしておりますが、実施時期につきましては、具体的には示されてはおりません。
また、加入者に対する影響についてでありますが、県と市の具体的な役割につきましては、まだ決定されてはおりません。
現段階では、財政運営を県が担い、住民に対する窓口は市町村が担っていくという程度の内容で検討が進んでいますので、影響についてはまだ分析ができない状況でございます。
本市としましては、加入者に対するサービスの低下にならないように留意していく所存であります。
大原まさゆきの質問
まだ、分析できないとの事ですが、早めに情報を得て、加入者に対しての情報提供をお願い致します。それでは、算定方法の質問に入っていきます。まず本市の保険料の算定方法はどうなっているのかお聞かせください。
福祉部長の答弁
本市の保険料算定方法につきましては、所得割、均等割、平等割の3方式とし、保険料の必要額に対する割合を、各々50%、30%、20%としております。
所得割につきましては、平成25年度より旧ただし書方式としております。これは平成24年度までの市民税所得割方式とは異なり、被保険者の所得金額から基礎控除額の33万円を控除した金額に料率をかけて保険料を算定するものであります。
大原まさゆきの質問
本市の算定方法は3方式という事で、一つ目の所得割とは、前年の所得額から算定するものであり、二つ目の均等割とは加入者一人当たりにかかる額であり、三つ目の平等割とは1世帯当たりにかかる額であります。
つまり、均等割の割合が多ければ多いほど1人暮らし世帯などの家族数が少ない加入者の保険料負担が低くなり、平等割の割合が多ければ多いほど家族数の多い多人数家族の保険料負担が低くなる傾向にあります。
現在の本市の算定方法は、均等割が30%、平等割が20%との事でしたので、若干、家族数の少ない加入者の方が保険料負担が低くなっている傾向にあります。
そこで質問ですが、均等割が30%、平等割が20%となっている配分の根拠をお聞かせください。
福祉部長の答弁
従前は、均等割が36%、平等割が16%でありましたが、所得割の旧ただし書方式への変更に際しまして、特定の世帯に増減が偏らないように、現在の均等割30%、平等割20%とさせていただいたものでございます。
大原まさゆきの質問
本市の国民健康保険が保険税から保険料に変更された昭和45年当時の算定方法では、均等割が25%、平等割が11%とその差が2倍以上にもなっており、現在までにしだいに割合が近づいてきています。
古い時代では、自営業者の中で農家が多かったり、また、出生率も高く、行政が少子化対策をとる必要はありませんでした。
しかし、現在、日本では少子化が問題となっており、日本人の総人口も減ってきている状況にあります。
この様な中で、少子化対策と歩調を合わせる意味でも、保険料の算定方法の変更の提案を致します。
先日、11月20日に国民健康保険の運営協議会が開催されたばかりではありますが、保険料の算定方法につきまして均等割と平等割の配分を例えば25%ずつにするなど等しい割合にする事を提案致しますが、お考えをお聞かせください。
福祉部長の答弁
平成25年度の保険料算定方式の変更に合わせて導入しました、保険料負担の緩和を目的とします、2年間の激変緩和措置が本年度で終了します。
このため来年度からの保険料算定方法につきましては、この2年間の納付環境の変化等を勘案して見直しを行う予定としておりまして、11月の運営協議会の中で見直し案を提示させていただいたところであります。
議員ご提案の均等割と平等割をそれぞれ25%と均一にすることは、一つの案として検討されているものでもあります。
しかしながら、来年度の見直しでの試算においても多人数世帯と少人数世帯との間で、保険料負担が大きく変動してしまうことから、現在、緩やかに変動する負担割合とさせていただく案を考えております。
大原まさゆきの意見
今後、緩やかに負担割合を変動させていく事を考えているとのご答弁でした。
他の自治体では、均等割と平等割を同じ割合にするどころか、本市の算定方法とは逆に平等割の方を多い割合に設定しているところもあります。
本市におきましても、なるべく早い時期に均等割と平等割を、まずは同じ割合にして頂く事を意見としてお願い致しまして、私の一般質問を終わります。
質問と答弁の全文を最後まで読んでくださった方、有難うございました!!!