議員報酬の増額議案に反対しました!
12月議会の閉会日でした。
予算についての賛成か反対かの意見を述べるため登壇しました。
以下に本日、私が発言した討論の内容を掲載します。
無所属の大原まさゆきです。
議長のお許しを頂きましたので、本12月定例会に上程されました第108号議案から第138号議案までの31件の議案につきまして、第120号議案、第127号議案の2件については反対の立場から、その他29件の議案については賛成の立場から討論を行います。
まずは反対する議案についてでありますが、第120号議案 岡崎市議会の議員の議員報酬等に関する条例の一部改正について意見を申し上げます。
内容としましては、議員報酬の期末手当の支給割合を年間で0.05月分引き上げる事によりまして、一般の議員であれば年間で4万4516円の増額となるものとの事であります。
今回の期末手当の支給割合の引き上げについての経緯としましては、今年の8月に、国の人事院によりなされた勧告に基づいたものでありまして、
元々は一般職の指定職職員の特別給いわゆるボーナスの支給割合を年間0.05月分引き上げる勧告がなされており、それに準じたものとなっております。
そもそも人事院の勧告というものは、国家公務員の給与が50人以上の従業員のいる民間企業の平均と比べて高いのか、低いのか等を調査し、
その結果をもとに、国家公務員の給与水準等について国会及び内閣に対して勧告するものでありますので、地方自治体の議員の期末手当を増額させる強制力はありません。
そして、帝国データバンクによりますと、全国の企業アンケートとして回答のありました1万1510社の内容をまとめたところ、
昨年の冬のボーナスと比べまして今年の冬のボーナスが増額する企業が2.7ポイントあるものの、増額理由としては物価高への手当などを盛り込んでいるとの事でありました。
また、今年の冬のボーナスを支給しない企業は零細企業を中心に昨年よりも1.3ポイント増加しているというデータもあり、
さらに、倒産している企業数が11月までに7ヵ月連続で増加しており、コロナ禍の中でエネルギーや材料の価格の高騰分が利益に転嫁できていない状況にある事で、
倒産件数がリーマンショック直後の平成20年11月とほぼ同じ水準とも言われております。
そして、今回の議員報酬の条例の改正は、来年度以降、年間で4万4516円を増額させていくだけではなく、今年の年末にも4万4516円が支給される改正となっており、
今から半年前の6月の期末手当の分も遡って増額させる内容となっておりますので、仮に、もし増額させるのであれば、今年は12月分の期末手当のみ増額として半額の2万2258円の増額にしておくべきとも考えます。
以上の事から、コロナ禍における円安や物価高等でお困りの方々がいらっしゃり経済的に先行き不透明な中で議員報酬を増額していく事は、市民の理解を得られにくいかと考えますので反対と致します。
次に、第127号議案、令和4年度岡崎市一般会計補正予算(第12号)についてでありますが、まず反対する部分につきまして意見を申し上げます。
1款議会費 議員報酬等 議員手当、としまして166万円の増額の補正予算が計上されております。
内容としましては、先ほどの第120号議案の条例改正議案にて述べました通りであります。
コロナ禍における円安や物価高などにより、お困りの方々がいらっしゃり経済的に先行き不透明な中で、本市の財源の使い道に議員報酬の期末手当として一般の議員であれば1人当たり年間で4万4516円の増額に使う事は、市民の理解を得られにくいかと考えますので反対と致します。
それでは次に、賛成をする内容について意見を申し上げてまいります。
まず、5款労働費 UIJターン就業・起業者移住促進業務ですが増額の補正予算としまして220万円が計上されており、そのうちの165万円は愛知県からの補助金として歳入の計上がされております。
予算の内容としましては、愛知県が選定した求人に就業した方などが、東京圏から移住してきた世帯に対する移住支援金の交付ですが、18歳未満の世帯員加算分などとの事であります。
近年、首都圏への一極集中について懸念もされているところでありますが、本市に移住したり起業してくださる方を支援するために賛成と致します。
次に、6款農林業費 あいち型産地パワーアップ事業補助業務ですが増額の補正としまして142万3000円が計上されており、そのうちの142万2000円が愛知県からの補助金として歳入の計上がされております。
内容としましては、愛知県の事業として、農家に対する生産力の強化を図るために栽培施設や共同利用施設の整備・改修、高性能な機械の導入による支援がある中で、今回の予算はブドウの「おそぐされ病」の予防のために、薬剤の噴霧機の購入を補助するものとの事であります。
このあいち型産地パワーアップ事業の本市内での対象としましてはブドウ以外にもイチゴやナス、米、麦、大豆なども含まれておりますが、市内農家のコスト削減や高品質化など生産能力の向上に繋がる事を期待しまして賛成と致します。
次に、8款土木費 本宿駅周辺地域拠点関連道路整備業務ですが増額の補正としまして9745万9000円が計上されております。
そのうちの6800万円が借入金として歳入が計上されております。
内容は、アウトレット事業者と共同で進める道路整備に必要な用地取得に対する負担金の支払いや、通信設備架設料、電柱移設工事請負費などとの事であります。
アウトレットに関しましては渋滞対策を強くお願いするとともに、開業による効果として、地域経済の循環、雇用の促進、そして市民の皆様に喜ばれる場所となる事を期待しまして賛成と致します。
続きまして、中根橋整備業務ですが、増額の補正としまして3927万円が計上されております。
内容は、愛知県が進める砂川改修事業への国の補正予算に伴って、事業進捗を図るための市の橋りょう改築工事負担金であります。
砂川の河川改修工事によりまして影響を受ける車道橋の中根2号橋と人道橋の中根橋を一つに造り直し、さらに、地域交通の安全と円滑化も図っていくとの事であります。
砂川は上流地域におきまして水害のあった河川でもあり、早期の改修が地域の方々から望まれている事と共に、若松線の開通工事にも関連している事から、スムーズな事業の進捗を望みまして賛成と致します。
次に、債務負担行為でありますが、まず、生活困窮者世帯等の学習支援に要する経費ですが、限度額としまして1616万5000円が計上されております。
内容につきましては、生活保護世帯や児童扶養手当を受給している世帯などの小学5年生から中学3年生までの児童生徒を対象に学習会や進路・進学の相談、居場所の提供を行い、また、保護者への助言などを行う事で子どもの社会的な自立を促し、貧困の連鎖を防止する事業であります。
今年度の状況では、会場が8ヵ所で定員100名となっているところを来年度4月からは会場を10ヵ所・定員を120名に増やしていくとの事で、新規の会場としましては南部地域と東部地域が新設され、今後、地域のニーズに合わせて来年1月頃に会場を決定していくとのご答弁を、私が所属しています文教経済委員会の中でご回答頂いております。
子ども達の将来を考え、また、居場所作りにつきまして対象人数と地域を増加してくださり、子ども部の方々に感謝申し上げます。有難うございます。
今後、例えばですが、進学したくても学力が不足している子や、ご家庭の心配事が気になってしまい学校の授業に集中できない子、学校の授業に付いていけなくて困っている子、授業がなじめずに不登校になってしまう様な子ども達が軽減する事で、学校に通えるようになったり、進路や進学の目標ができたり、勉強の仕方やコツを掴んでいく事で、将来的な貧困の連鎖の防止に繋がっていく事を期待しまして賛成と致します。
続きまして債務負担行為、小中学校の空調設備に要する経費ですが、限度額としまして小学校では370万7000円、中学校では2258万3000円の限度額が計上されております。
内容としましては児童生徒数の増加に伴う普通教室の増加によりエアコンの設置をしていくものでは、六ッ美南部小学校、岩津中学校、竜南中学校の3校であり、また、来年度に市内全ての中学校に校内フリースクールF組が設置される事に伴うエアコンの設置としましては常盤中学校、竜南中学校、額田中学校、翔南中学校の4校との事であります。
文部科学省によりますと、令和4年9月時点におきまして全国公立の小中学校の普通教室の95.7%にエアコンが設置済みとの事であります。
学校内でのエアコンの有無による不公平の是正や、猛暑や酷暑など暑さのひどい日でも熱中症の心配がなく過ごせる事と考え賛成と致します。
続きまして賛成する議案でありますが、第110号議案 町の区域の設定について意見を申し上げます。
内容につきましては、八丁みそ業者2社の敷地の町名である八帖町の「帖」の漢字を八丁みその漢字に合わせて変更していく議案であります。
変更の目的ですが、地名をみその名称の漢字に統一する事で、岡崎城から西に八丁の距離にある場所で八丁みそを生産してきたという歴史的由来や、商品名と生産地を一致させる事で、消費者に対して分かりやすくする事で、市内の八丁みそを支援していくとの事であります。
農林水産省のGI保護制度では、岡崎市内の八丁みそ業者の加盟していない組合が八丁みそとして登録されており、八丁みその生産地が愛知県全域となっております。
このままでは2026年には、本市の八丁みそは、「GI登録された八丁みそでは無い事」を商品に明記しなければ、八丁みそが名乗れなくなってしまうと言われており、江戸時代から伝統製法を守り続けてきた歴史的にも価値のある本市の貴重な財産の損失に繋がってしまう懸念があります。
このGI問題では、まるや八丁みそとカクキューの2社は大変なご苦労をされている事からも本議案に賛成致します。
そして、その他の議案につきましても賛成と致しまして、以上、意見を申し上げ、無所属大原まさゆきの討論と致します。
以上になります。
そして、第108号議案から第138号議案まで31件の議案について採決に加われない議長を除いた各会派と無所属議員(合計36名)の賛成か反対かの採決結果を以下に掲載します。
自民清風会(14名) 31件の議案に全て賛成
民政クラブ(9名) 31件の議案に全て賛成
チャレンジ岡崎(4名) 31件の議案に全て賛成
公明党(3名) 31件の議案に全て賛成
無所属(6名)
・日本共産党岡崎市議団(2名) 第114号、第117号、第118号、第120号、第122号、第124号、第127号、第132号の8件の議案に反対、その他の23件の議案については賛成
・田口正夫議員 31件の議案に全て賛成
・柳けんいち議員 31件の議案に全て賛成
・三塩なつみ議員 31件の議案に全て賛成
・大原まさゆき 第120号議案、第127号議案の2件の議案のみ反対、その他の29件の議案については賛成
以上となります。
そして、私が反対しました議員報酬の増額議案についてのみ各会派と無所属議員の採決結果を以下に掲載します。
自民清風会(14名) 賛成
民政クラブ(9名) 賛成
チャレンジ岡崎(4名) 賛成
公明党(3名) 賛成
無所属(6名)
・日本共産党岡崎市議団(2名) 反対
・田口正夫議員 賛成
・柳けんいち議員 賛成
・三塩なつみ議員 賛成
・大原まさゆき 反対
以上となり、反対議員3名、賛成議員33名であり賛成が過半数だったため、議員報酬の増額が決定してしまいました。
私は、予算に関して全て賛成でもなければ反対ばかりでもなく、一つ一つの予算に関しまして、市民の皆様にとって必要なのかムダなのかを考えて、賛成か反対かを表明していく”是々非々”の立場で今まで議員活動を行ってきましたし、今後も市政のチェック機能の役割を持つ市議会議員としての資質を最大限に向上させながら、議員活動を行ってまいります!
写真は、以前の議会での討論の様子です。
| 固定リンク | 1